PAML-XでGUI環境のPAMLを試してみる
dN/dS検定の勉強のため、こちらのサイト*1の序盤を参考にさせていただき、PAMLの導入と実行をおこなった。またGUI環境で実行できるPAML-Xが公開されていたので実行してみた。
【環境】
Windows8.1(64bit)
【手順】
1. PAMLのサイトにアクセスし、「Downloading and Setting up PAML」の段落の「PAML-X: A GUI for PAML」から、pamlX1.3.1-win32.tgz をダウンロードした。
名前は32bit版のようだが特に64bit環境でも問題なく動く模様。またWindows8以降も推奨環境に記載されていないが問題無かった。
2. ダウンロードしたファイルを、Lhaplusで解凍した(→参考*2)。pamlXというフォルダが生成されるが、PAMLの本体を入れてGUI環境の完成となる。
3. dN/dS検定のため、PAMLのpaml4.8a以前の環境を入手する。サイトの説明より、
注意: paml4.9a では解析が動きませんでした.paml4.8a は動きます
とのことだったが、本家PAMLサイトでは過去のバージョンを提供していないので、上記サイトのファイルからいただくか、Internet Archive経由でPAML本家の過去サイトから入手する。
カレンダーの8月3日か9月17日の部分をクリックするとダウンロードできる。
4. ダウンロードしたファイルをLhaplusで解凍すると、paml4.8というフォルダが生成される。
5. PAMLと名付けたフォルダを適当な場所に作成し、2.で作成したpamlXフォルダと、3. で入手したpaml4.8フォルダを入れる。フォルダの相対的位置はお好みで後から変更可能なので適当に。
6. pamlXフォルダ内のpamlX.exeを実行すると、以下のような画面が表示される。
7. 「Tools」→「Configuration」を選択
8. Paml fold pathにPAML本体フォルダの場所を記入する。
入力時、パスが無い場合は画像のように赤く表示される。正しく入力したらOKを押す。
9. 適当なツール(ここではMCMCTree)のタブをクリックし、Warningメッセージが出なければセットアップ完了。
10. もし下記のようなWarningが出るようならConfigurationの設定を見直す。
11. サイトの記述に従いテストをおこなう。まずはcodeml.ctl に書く内容をGUI上から入力していく。
12. 「枝モデル (branch model)」で、「一種類の ω を推定する場合」を入力すると以下のようになる。
Outputのlocationには結果ファイルの出力場所を指定する。CodeMLは1回の計算で11個のファイルが出力されるので、計算する設定ごとに新しいフォルダを作成して指定した方が良い。
13. この設定はPAML-Xを終了すると消えてしまうので、別な場所に保存する。「File」→「Save as」で好きな名前で設定ファイルを保存できる。
後からこの設定ファイルを読み込む際は、「File」→「Open」で、どのツール用のファイルかを指定する(この場合はCodeML Control File)。
4. Runをクリックすると計算が開始される。
【雑感】
PAML-Xは、本家PAMLよりcodeml.ctlの値を設定する時のハードルが若干低く、各パラメータの全体像が掴みやすいかもしれない。
以上。
*1:「dN/dS 検定」, 井上 潤, 米澤 隆弘, 2016, http://www.geocities.jp/ancientfishtree/dNdS_ji.html
*2:「mcmctree の例題 ~入門編~」, 井上 潤, 2015, http://www.fish-evol.com/mcmctreeExampleVert6/text1.html