Microsoft Officeでオンライン画像を挿入する時に「パブリックドメイン」のクリップアート画像のみ表示させる

(この文章は著作権についてそれほど詳しい人が書いたわけではないので、表現の正確性についてはお目こぼしください)

 

【状況】

Microsoft Officeの「クリップアート挿入」の機能は、Office2007以降、オンラインから画像を探して、利用者自身が元サイトの情報を確認して挿入する方式に変更となった

f:id:kiliwave:20160204124720p:plain

しかしOfficeメニューから表示される、Bingイメージ検索では、

クリエイティブ コモンズでライセンスされている画像です。
使用する画像に適用されている個々のライセンスを確認して、ライセンスに準拠するようにしてください。

と記述されているものの、「クリエイティブ コモンズ ライセンス」と呼ばれる著作物利用方式基準の中の、

  • 著作権を誰が持っているか明示する必要があるもの/必要のないもの
  • お金儲けに使ってはいけないもの/使ってもいいもの
  • 勝手に改変してはいけないもの/改変してもよいもの
  • 著作権が放棄されており、利用者が制限無しに自由に使えるもの

 が混ざっていて判断が難しい。

 

【対策】

クリエイティブ コモンズ ライセンスの中のパブリックドメインという区分で公開された画像なら、著作権が放棄された創作物なので、著作権を持っている方の表示不要で、お金儲けに使っても良く、勝手に改変しても良い*1

しかし、Officeから起動されるBingイメージ検索では、この「パブリックドメイン」だけをフィルタさせるオプションがない*2

いろいろ試行錯誤した結果、検索キーワードに以下の文字列を追加すると、パブリックドメインのクリップアート画像だけが表示されることが分かった。

filterui:photo-clipart+filterui:license-L1

例えば、

マウス filterui:photo-clipart+filterui:license-L1

と検索すれば、以下のように「マウス」のパブリックドメインの画像のみを表示できる。

f:id:kiliwave:20160204130422p:plain

本家のBingイメージ検索でフィルタして検索した結果と同じになることが確認できる。

f:id:kiliwave:20160204131129p:plain

ちなみに、他の分類で確認したい場合は以下のような文字列を使用する。

  • 無料で共有および使用

filterui:photo-clipart+filterui:license-L2_L3_L4_L5_L6_L7

  • 無料で共有、商業目的で使用

filterui:photo-clipart+filterui:license-L2_L3_L4

  • 無料で変更、共有、および使用

filterui:photo-clipart+filterui:license-L2_L3_L5_L6

  • 無料で変更および共有、商業目的で使用

filterui:photo-clipart+filterui:license-L2_L3

各表現の意味については

CCライセンス・バージョン4.0 日本語版の公開 | クリエイティブ・コモンズ・ジャパン

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス - Wikipedia

などを参照のこと。

様々な基準があるが、「Bingがパブリックドメインとして表示する画像」を素早く表示させたい場合は、「filterui:photo-clipart+filterui:license-L1」を辞書登録しておくと良いかもしれない。

 

【注意点】

残念ながら、Bingイメージ検索が判断したクリエイティブ コモンズの区分が間違っていることがある。

例えば、「マウス」でイメージ検索すると以下のような某ポンデライオンのような画像がヒットする。

f:id:kiliwave:20160204125542p:plain

しかし、実際にこの画像が載っているブログページに行くと、この画像はクリエイティブコモンズライセンスで保護される旨は明記されていない。ブログのテンプレートがクリエイティブコモンズライセンスに乗っ取って公開されているものを使用している、というだけである。
おそらくBingのボットが、自動的にこのブログページを取得する時に、「ページ内にクリエイティブ・コモンズに関する記述がある」ことと、「RDFフォーマットで著者などの定義がされている」ことを判断して、ページ上の全てのパーツがクリエイティブ コモンズライセンスの対象となっていると誤って判断したのだろう。

Bingイメージ検索の詳細説明ページ(英語)には、画像を見つけたら、オリジナルページに行って利用範囲を確認し、その上でクリエイティブコモンズのページに行って判断するように書いてある。またBingはこれらのライセンスについて保証はしないという免責事項が書いてある。

肖像権や商標についてもクリエイティブコモンズライセンスの範囲外なので、パブリックドメインの画像でも注意して使った方が良いと思われる。

 

以上。

*1:もちろん作成した方への敬意を忘れずに

*2:本家のBingイメージ検索ではライセンスなど様々な基準でフィルタをおこなうことができる。